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 「発熱を繰り返す。保育園に行き出してから、受診が相次ぐ。悪い病気?治らない?」と心配をお話しされたのは1歳過ぎのお子様のお母さんです。

 お尋ねすると、4月に保育園に就園してから、再々発熱し、受診が増え、困っていると。さらに、お聞きすると、第一子であり、中耳炎にもなり・・・と。

 

 毎年、年度初めの春先から、再々、外来診療中に聞く、お悩みの代表的な例です。
 国の施策で、0歳から保育園での生活を強いられる子どもたちは、とくに、広域から子どもたちが集う保育園の場合、多種多様なウイルスを浴びることになります。病名は、感冒・風邪・急性上気道炎・急性鼻咽頭炎やウイルス性気道感染症、ウイルス血症などであり、さらに、合併症として、急性中耳炎、急性副鼻腔炎などがあります。ウイルス性気道感染症も上気道感染症に留まらず、急性気管支炎、急性細気管支炎や急性肺炎など、実に様々です。

 お子様の場合、就園までは家庭生活が主体で、多くのウイルスに次々と出会うことはありませんでした。かつ、1歳前までは胎盤を通じて、母体の免疫を(全てではありませんが、)多く保有していましたが、これが枯渇・減弱すると、自身の力でウイルスとの闘い(免疫応答)を余儀なくされます。地球人の宿命とも言えますが、多種多様のウイルスに対する抵抗力(免疫力)を獲得することも、成長・発達の課題であり、避けては通れません。

 なお、母乳育児が継続していると、母乳には母体の免疫要素(細胞・抗体)が含まれており、乳児の闘い(免疫応答)を支援します。(→ 母乳には自然免疫・自然なワクチンが含まれているとの見方が可能です。)

 乳幼児の基礎免疫能は、3歳になると、大人で低い人(:個人差が大きいのですが、)並みに育ちます。この状態において、各種のウイルスに出会うと、ウイルスとの闘い(免疫応答)が有利に推移します。

 

 ところが、0歳からの集団生活が強いられている現状です。子どもの立場からすると「感染虐待を国が強いている」とも言えます。

 初めて出会うウイルスの場合、3日間は発熱をし、その間に免疫応答をし、抵抗力・抗体を作ると解熱します。この間、丁寧に家庭看護をすることになります。

 お子様の場合も、悪い病気と言うよりは、その都度、治る過程で、例えば、痰がらみの咳・(着色・混濁した)鼻汁を出している際に、新たなウイルスに出会い、被感染し、また発熱をした・・・ と言った繰り返しと考えます。

 

 その都度、丁寧に診ていく・支援していくことになります。お子様によっては、中耳炎を併発し易く、鼓膜所見にも留意し、診ることになります。

 以下を参照してください

受診のタイミング:水分・関心・睡眠・安心 

解熱剤の使い方:人は機械ではない。単に何度になったから解熱剤!ではなく、状態で使用します。

乳幼児の夜間の痰・咳などの対処方法 

家庭看護の実際 pdf 

(令和元年五月・2019/5/1 鳥取県東部医師会急患診療所にて 記) 

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