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挨拶をしつつ、赤ちゃんに臨む

 

夢の中で生後6か月前の赤ちゃんが急に泣きだしたことについて、肘内障に例えて、“いきなり心を引っ張った”ためと、説明している自分があった。発端は〔やわらかい風〕を主宰する川口映子さんとのネットでの授受

赤ちゃんの了解を得ず“いきなり心を引っ張った”ため泣かれてしまった自身の体験記です。

1981年度、鳥取県立中央病院に赴任した当時は、廊下で行き来できる隣接地にある鳥取保健所は、(法に基づく機能だったのでしょうが、)対象を特定しない乳児健診を実施していました。で、小児科医として出向いていました。その当時、齢30歳台前半だった小生は、神経小児科出身であったこともあり、発達を評価・支援することに長け始めていました。

保健師(当時は保健婦)さんの問診等を終えて、診察をする部屋にお母さんに抱かれた赤ちゃんが入室し、保健師さんは健診票を小生の机に置きます。小生は立ち上がり、乳児ベッドに横になっている赤ちゃんを笑顔で見つめ、赤ちゃんと目が合ったことを確認後に、目を離さずに診察を開始・継続します。勿論、月齢が進み、赤ちゃんが笑顔を見せてくれたら万全で、やはり見つめながらの診察です。診察しながら、お母さんにお話をしていました。そして、診察終了後に、お母さんの顔を見て、心惹かれるステキな女性だと内心時めいたことが再三再四・・・。

当時、赤ちゃんに泣きだされた例は二つのパターン:

@ 赤ちゃんと目を合わせた後、たまたまお母さんの顔を見て話す必要があった際に、お母さんに惹かれて、その直後、一旦、赤ちゃんとの視線が離れていたのに、急に診察が再開されたことで、赤ちゃんにとっては驚きとなり、泣き出した!

@ 診察開始前に、たまたまお母さんを見て、心惹かれて、内心動揺して、赤ちゃんに向き合った際に、泣かれた!

 

一方、平成年代になり、中央病院小児科の責任を担い、県や鳥取市の保健師さんたちと乳幼児健診のことなどで会議等に参加し、意気投合していた当時(:県の乳幼児健診に係る指針を執筆したり・・・)、鳥取市が開催している生後6~7か月健診は、さざんか会館(当時)での集団健診でした。大きな会場に小児科医の診察が5ブース設定され、現役を退いた保健師さんなど経験者も支援に入ってこなす方式でした。

鳥取県東部小児科医会の仲間が年間計画に基づいて参加していましたが、中央病院からも医師を派遣していました。若い研修医などを一次健診の場に派遣している時地上でしたが、鳥取市の指導的立場にある保健師さんが「(大谷も)健診の様子を見に来て!」と要請しました。つまり、生後6~7か月児を対象とした健診に健診医として参加して欲しいとの要請でした。

小生が久しぶりに一次機能(@)の生後6か月児健診に参加した某機会に、受診者の来場が間延びし、開業医さんたちを先に終わってもらう健診が終わる時間帯に、ベテラン保健師さんたちが呟いていました。小生は、集団健診に参画した機会にリーダー滝保健師さんとアレコレ話していた時間帯と思えます。

で、ベテラン保健師さんたちに「何を話題にしているの?」と話しかけたら、「大谷先生がみると乳児が泣かない!」ことの情報共有と驚きでした。で、「何故?」とも聞かれました。

つまり、“赤ちゃんの心をいきなり引っ張らない”診察開始時の赤ちゃんとの関係性作りが要点でした。

生後6~7か月ともなれば、赤ちゃんは多くの経験をしており、通常は“人生ってすばらしい!”的に笑顔の多い月齢です。が、安心できる環境。関係性が、突如、遮断され、崩れると、当然、泣くことで赤ちゃんは警告を発します。

古今東西、発達心理の観点から、真実です。

 

智頭病院に異動後、間もなく満16年になります。自身は赤ちゃんを診る“達人”(勿論、自己評価😊)ですが、)産科がないため、日々、赤ちゃんを診ていた中央病院時代とは雲泥の差があります。

予防接種デビューをする際には、必ず、全身を診ます。一般的な診察と発達評価の観点を含めてです。この際に、つまり、生後2か月になったばかりの赤ちゃんと向き合う際にも、必ず、目と目を合わせ、赤ちゃんの動きを確認してから触れることを始めます。

赤ちゃんは、リラックスし、心を許してくれたら、手足の自発運動が始まり、多くなります。つまり、アイコンタクトが出来ているかに見えても、未だ、緊張が残っている際には、体は固まっているのです。

昨今でも、つい、油断し、失敗することがあり得ます。例えば、赤ちゃんと見つめ合っている際に、偶然、看護師さんやお母さんが話しかけられ、その内容に、自身が本気で考えたその瞬間、きっと、自身の表情に緊張感が漂ったのでしょうが、赤ちゃんが急に泣きだすことがあります。

やわらかい風]を端緒として、つい、書き込んでしましました。

2019年9月7日(土)午前 8:48

 

@: 平成年代に至る前に、鳥取保健所は任意での健診を止めて、二次健診に特化する方式に変更しました。つまり、一次健診の場で、或いは、病院小児科や開業の小児科医が発達上の気になる乳児を専門的に診て欲しいとのニーズに応えて発足した機能である「発達クリニック」です。これは(当時の)郡家保健所にも開設されました。

 

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