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鼻閉・鼻汁やタン・セキの対処法 ♪ 具体的な方策をご提案
 

ご質問: 鼻水が多く、鼻がつまって困っています。

ご質問: タンがからむセキで吐いてしまします。


 

回答: ご質問の内容は、小児科外来では日常茶飯事といえます。

 冬季は、当然ですが、空気は冷たく、かつ、乾燥しがちです。カゼなどの気道感染症の場合、気道から排泄される分泌物が鼻汁(鼻水)や喀痰(タン)になるわけです。これらを上手に出すためのケア・家庭看護が大切になります。
 学会での一致した見解ですが、「鼻水を止める薬はない!」のです。ウイルス等の炎症(~体内での戦いの結果としての)産物は、必然であり、かつ、流行語にもなったPM2.5など、微細な埃やタバコの煙など、呼吸と共に吸い込まれた異物は、(可能な限り!)体はこれらを排出します。これらはタンであり、また、粘稠な鼻汁となります。
 大人は、乳幼児と異なり、鼻汁や喀痰を排出する技術を身に付けています。

A)“鼻を咬む”ことが出来ます。
B)鼻の奥・ノドの奥の上の方(上咽頭)に異物感・違和感があれば“鼻を啜る(ススル)”動作をします。で、反射的に飲み込んでいます。気道の入口(喉頭部)にまで吸い込むので、出すことができず、量がまとまらないので、飲み込んでしまっているのです。生体の防衛反応に係るこの事実は重要です。
  つまり、美しい淑女といえども、“鼻クソ(糞)の原液を飲み込んでいる”事実があるのです。
C)大人は、ノドに違和感があるときに、ノドを1~数回鳴らして、痰を口の中に上げる動作をします。痰がある程度まとまれば、口の中から出しますし、また、量が少ない場合や、外に捨てる準備・環境が整わない場合は、そっと飲み込んでもいます。B・Cを併用していることもあります。

A・C)は肺の空気を出す動作で、B)は肺に空気を吸い込む動作です。当然、A)は肺の中の空気を鼻から一気に出しますし、C)は、肺の中の空気を口に出す動作です。
 

 さて、乳幼児の場合です。A)“鼻を咬む”ことが出来ません。中には“鼻を咬む”技術を取得していない小学生にも出会います。B・C)もできません。C)は例外的に幼児期に技術を取得している子に出会うこともありますが、大半は乳幼児期を通じて出来ません。
  ということは、これに代わる方策を採ることになります。
 A)乳幼児の場合、鼻づまりで、口呼吸をしている(様子がうかがえる)場合は、片方ずつ、指で外鼻孔を押さえて、他方から吸い出します。
 器具♪を用いての吸引もできますが、ない場合は直接口を当てて吸引されても良いです。
 また、ティッシュで‘こより’を作り、鼻に挿入し、くしゃみを誘発することもお試しください。くしゃみで鼻汁を噴出しますよネ。くしゃみは大人が鼻を咬むのと同様、強い呼気を誘発し得ます。くしゃみが出ない場合、混濁した鼻汁が“釣れる”こともあります。ティッシュは鼻腔粘膜を傷つけることがない柔らかな素材なのでオススメです。


♪:電動器具や手で操作する器具もありますが、口で吸い込み(陰圧をかけ)、鼻水・タンを貯める槽が付いている器具が手軽で、鼻水が引ける様子を確認しながら、口で適当な陰圧を調整できるので、良いと思います。(Amazon で送料無料・700円で入手可能な器具“ママ鼻水トッテ”が良いかナ! 2013/12/25現在)


D)環境における配慮も必須です。室内の加温・加湿と室内空気の清浄化です。
 ◎加温は過剰にならないようにネ!アセモ(汗疹・汗疹性湿疹)がある子に出会います。ご留意を!
 ◎加湿は、電動の加湿器をつかわずとも室内に洗濯物を干すなどでOKでしょう。
(自身は、冬季の夜間は濡らしたタオルを室内に置いて、ケアしています。)
 ◎空気の清浄化は、タバコの煙などや埃などを減らすことが必要になります。(~年末年始など、親類等の仕舞い込んであった布団にも留意!)かつ、インフルエンザなど、冬季の感染症流行シーズンには、(鼻汁や痰で困っている場合はとくに!)人の多い屋内空間に長居することは避けましょう。つまり、新たな感染症を被らない配慮も大切です。    

(2013/12/20-6 記 2019/2/26 加筆)

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