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 ほっぺが赤くなり、手足にも赤いホッシンが出て、リンゴ病だと。学校に行って良いのですか? 

 

 小学生? 中学生でも発症することがあります。要は、お子様に困り感がない場合、当校はOKです。

 ただし、大人を含めて、年齢が高くなると、微熱が続く、関節痛や全身のだるさなどが目立つことがあります。稀ですが、内科で膠原病の疑いで入院となり、精査され、相談があり、「リンゴ病(伝染性紅斑)です」と診断した例もありました。

 発疹が出た時点で、他の方への感染性はなくなっています。また、病初期に、軽い風邪症状程度(~それにも気づかれず)で、発疹が出た時点での受診例が多い・通例です。発熱がなく、元気なら、登園・登校はOKですとお話しします。以下、智頭病院小児科で啓発用に作成している資料をご紹介いたします。ご活用ください。

☆ ご説明 ☆  リ ン ゴ 病 (伝染性紅斑) ☆


◎ ほっぺに赤い発疹(紅斑)が出ることからリンゴ病と俗称されています。
 ほっぺの紅斑は程度が多様です。かつ、二の腕・太ももの伸びる側(伸側)や胸・お腹や腰・背にも紅斑が出ることもあります。中にはかゆみが目立つ子もいます。
○ 中学生以上(~大人)の場合、病状が強く、多彩になりがちです。
 病状が強いと、発熱を呈し、全身のだるさや関節の痛みやこわばりが出ることもあります。
 高校生以上で、内科を受診した場合に、膠原病が疑われる♪ことがあるほどです。
〔⇒ 発疹の程度や熱・だるさなどの全身症状は、日光・運動・暑さ(など発汗を来たす生活)、感情的ストレスなどが誘因となるので、学校生活などで留意します。〕
〔⇒ 青年~成人では関節痛・頭痛などを訴え、関節炎症状により1~2日歩行困難になることもありますが、ほとんどは合併症を来たすことなく自然に回復します。〕
(♪:採血検査では、血小板減少症、顆粒球減少症、血球貪食症候群の所見も!)
○ 時に、紅斑が消失した後、再び、ほっぺに紅斑が出ることもあります。
 中学生以上(~大人)では、病状が良くなった後、無理をすることで、再び、発熱・体のだるさなどの全身症状や関節の痛みなどが出ることもあります。
◎ 家庭では、冬季はストーブやエアコンの熱風・風に当たらないように、つまり、過剰に温まり、乾燥することを避けます。かつ、熱いお湯の風呂に長時間入ることも控えます。
○ かゆみが強い場合は、かゆみどめ(抗アレルギー剤)を服用することも考慮します。
〔⇒ 大人年齢では、解熱鎮痛剤を必要とすることもあり得ます。〕


◎ 不顕性感染といいますが、風邪症状に気づかれず、かつ、紅斑も出ないまま、ヒトパルボウイルスB19型の感染が成立している場合も多々あります。
◇ 原因はヒトパルボウイルスB19型に初めて感染したことによります。
 通常、軽いカゼ症状#があり、これに続く免疫反応として紅斑が出現します。
    #:気づかないことも再々であり、カゼ症状で受診する方は少ないです。
◎ 紅斑の出現時点では、既に、他者への感染性(伝染性)は消失しています。
 紅斑以外の体調によって、登園・登校(・出勤)や行事への参加を決めます。
 保育園児や小学生では、通常、登園・登校が出来ないほどの病状には至らないはずです。
◇ 今年(2010年晩秋以降)、リンゴ病が全国的に流行しています。
〔⇒ 流行期には、妊娠中の女性がリンゴ病になると、お腹の赤ちゃんの発育に支障(胎児水腫など)が出ることがあり、懸念されます。〕
〔⇒ 流行期には、非常に稀ですが、赤血球に異常(球状赤血球症)が潜在している方では、紅斑の出現の有無に関わらず、極度の貧血を来たすことがあります。つまり、極度の貧血に伴う病状で受診された方を調べると、ヒトパルボウイルスB19型ウイルス感染症の初感染と球状赤血球症の診断がつく例があり得ます。〕
~! ヒトパルボウイルスB19型感染症の臨床像は、実に多様なのです。
◇ 採血による確定診断:パルボウイルスB19抗体 IgMを検査し、陽性の場合、初感染の可能性が高まります。重症の貧血を来たした例などの重症・合併症例や、妊娠中の女性で本症の確定診断が必要な例に限り、保険診療適応となり、検査(実施料・判断料=230点)が可能です。


参考資料:国立感染症情報センター〔感染症の話〕  文責:大谷恭一 2011/4/6記

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