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健診結果で、単に「経過観察」は保護者には辛い!

 

乳幼児健診票には、まとめの欄に「経過観察」が設けてあります。これは、管理をする立場上の項目です。保護者に対しては、安心・納得できる子育てに関する提案があってこその、「丁寧にみて、育ちを見守りましょう」が本筋です。

健診を終えて、仮に、医師・保健師が、例えば、反り返りが目立つ乳児において、「(脳性麻痺の可能性が否定できないので)経過をみましょう・経過観察としましょう」「・・か月後にまた受診してください」と話し、具体的に、日々の生活でのかかわり方について反り返りを解消させるための提案がないとすれば、保護者にとっては、不安・緊張を強いられることになります。

 

発達面に限定せずで、一次の健診において、医師・保健師が、問題点・課題の指摘に留まり、具体的な提案が出来ないとすれば、全く困ったことになります。乳幼児健診の質が問われます。

とは言え、発達上の“気になる”ことは、一般的な小児科医や保健師では、評価と共に保護者に具体的な(楽しい子育て)支援を提案するのが困難な事象があり得ます。これを補完する観点で、小児神経の専門医が参加する「二次健診・発達クリニック」が開設された経緯がありました。(:平成の市町村大合併後、新鳥取市での体制は不承知)

小生は智頭病院に異動後、一次の健診の場で、発達診断も常に含め、抱き方に始まり、子育てに係る工夫などを提案し、安心の啓発をした上で、必要な例では、保護者ニーズを優先し、保健師が調整し、不定期の健診機会を設定しています。

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冒頭の“反り返りが強い”の懸念は、生後1か月半~4か月未満児が該当し易いのですが、ズバリ抱き方を提案します。

文字で示すと、“座位抱き”です。両手を胸の前に(つまり、腕を肩の前に)置いて、やや前のめり気味に座している姿勢です。

詳細はコチラ

乳幼児の運動発達評価

をごらんください。

下記は「♪ 反り返り姿勢に関する諸事項」の抜粋です。

 

反り返りが強い例の特性を,正常・病的の評価の鑑別に有用な所見を含めてまとめた.第1伸展期に相当する生後2~4か月に限られるが,程度が目立つ場合,発達診断を求められ,その変異の強さを記録する観点からearly dystonia と記載している.即ち,錐体外路症状を伴う脳性麻痺における dystonia との鑑別が必要であり,発達変異の一型としての early dystonia の記載である.

表1 反り返りが強い例(early dystonia)の特性
・ 運動発達上では、第1伸展期に相当する時期(頚定獲得までの期間:体幹背側伸展筋群優位の時期に相当)
・ 保護者が、反り返り姿勢をそのまま抱いている傾向がある(反り返り姿勢が増長され、長引くことになる.)
 ~ 強いと、上肢は肩関節外転・肘伸展位を呈しやすい.
・ 引き起こし反応では、股関節が伸展し、診察医側にずれたりする.あるいは、立ち上がってくることもある.
・ 仰臥位姿勢・運動を観察すると、四肢の屈曲位を呈し得る 末端手足の動きには、質・量とも問題がない.
・ 痩せ型で筋緊張の亢進している児、SFD児に多い傾向がある.歩行開始はむしろ早くなる傾向がある.
・ 上肢を体前方に置いた屈曲位抱きを指導する. ~ イメージは「坐位姿勢を抱く。手は前で合わせて

♪  反り返り傾向のある乳児においては,保護者は反り返り姿勢をそのまま抱いていることが多い(図4).育児指導のポイントは,「座位姿勢」で抱くこと,仰臥位での屈曲位姿勢での遊び,即ち,月齢に応じて hand to kneeやhand to foot 姿勢をとらせて,少しの揺らしを与えたりしつつ,あやしかけたり,或いは,大人が足方に位置して児の両足を持って屈曲位を取らせ,イナイナイバーをしたりすることである.
なお,反り返りの強い例では,生後4か月を過ぎても,引き起こし反応において体幹が垂直になっても頭部が後屈したままのことがある.この場合,頚定の遅れや脳性麻痺の可能性があるとして,発達診断を求められる.しかし,座位姿勢や腹臥位懸垂,斜位懸垂では頭部は安定して,立ち直りを見せていることが多く,発達変異の評価となる.運動発達の個性の違いであって,異常ではなく,遅れでもないことを説明し,座位姿勢抱きを指導することになる.。

小生は智頭病院に異動後、一次の健診の場で、発達診断も常に含め、抱き方に始まり、子育てに係る工夫などを提案し、安心の啓発をした上で、必要な例では、保護者ニーズを優先し、保健師が調整し、不定期の健診機会を設定しています。

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挨拶をしつつ、赤ちゃんに臨む

やわらかい風

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